先日、お葬儀のお打合せの為に故人様のご自宅へ伺いました。
「お棺の中へ納めてあげたいもの、故人様に持って行ってほしいものがあれば一度ご確認だけさせて頂きますのでご用意ください」
そう伝えると、故人奥様から返ってきたのは、
「そんなもんは何も無いなぁ。食べ物入れてやっても食べれる訳じゃないし…」
という言葉。
そんな時、喪主様の携帯電話に着信が。お相手は、故人の娘様でした。
「フライド・チキン買った?お父さん好きだったでしょ?骨無しなら入れてあげれる?」
故人奥様の「何も無い」を聞いていた喪主様。
何も要らないよ、と言ってしまうのかと思いましたが電話を離し一言、
「…いいですか?」
と聞いて下さいました。
「もちろんです」
そうお伝えし、喪主様が電話を切ると「じゃあアレも」と故人奥様が持ってきたのは半分しか入っていない一升瓶。その一升瓶は、故人様が大好きだった日本酒。
まだ残っているそれは、故人様が生前に呑んでいたものだそうです。
ご用意をして下さいましたので、お棺に納めていただけるよう、お口元へ運んでいただけるよう準備をさせていただきました。
誰にでも、好きなものはございます。
些細なことでもいいのです。思い出してあげてください。
あの味が好きだったな。
あの色の持ち物が多かったな。
あれをよく見ていたな。
大切な人を送るひと時を、皆様で作りませんか?
私共スタッフは、そんな皆様のお手伝いが出来たらと存じます。
家族葬の結家
担当 伊藤里帆