愛知県岡崎市にございます、家族葬の結家 岡崎矢作にてご葬儀をお手伝いいたしました。
お酒が大好きで、飲み屋で出会ったご友人は飲み仲間であり、ボーリングやゴルフ仲間でもあった故人様。
なにより、そのご縁で結成されたソフトボールチームでは監督を務めた事もあり、一番といっていい程に力を注いでいらしたそうです。
そんな故人様をお送りする祭壇は、黒の壁に黄色のお花で飾った、"タイガースカラー"です。
阪神タイガースの大ファンで、ネットで購入したグッズはどれ程になるでしょう。
式場は、故人様の想い出のお品でいっぱいでした。
お好きなビールにタバコ、マメにつけていらした監督時のスコアも山ほどあります。
ユニフォームや、定年後に車好きが転じて取得した車査定の仕事の作業着も、祭壇背景に飾らせていただきました。
そんな故人様らしい式場の入口には、トレードマークだった帽子と共に、いつもの格好をしたマネキンが立っています。
まるで故人様に代わって皆様をお出迎えしてくれているかのようです。
祭壇中央のご遺影からは「やあ！」と今にも声が聞こえてきそうで…。
片手を上げ、皆様に呼びかけているように見える、そんなお写真を目に、皆様ご生前の故人様を偲んでいらっしゃいました。
この日はご親族のみ参列する家族葬、のはずでしたが…。
家族葬のお知らせにも関わらず、両日ともに沢山のお仲間が故人様に会いに来てくださいました。
このコロナ禍での家族葬は、当たり前のように本当の身内のみになってしまうイメージの中、いかに故人様が愛されていらしたかが伝わってまいりました。
皆様、開式直前まで故人様を偲んでいらっしゃり、時間が足りないくらいでした。
そのため、開式してからのご焼香もそれぞれの想いを込めていただけるよう、お一人づつ、ゆっくり進んでいただきました。
立ち上げる煙に数えきれない思い出が蘇り、涙が溢れるお仲間もいらっしゃいました。
お別れの時間では、タイガースカラーの黄色いお花をたくさんお柩へ手向けていただきました。
頭元には、トレードマークの帽子も勿論お入れしました。
ビンゴ5の抽選結果がのった新聞の切り抜きは、お二人の娘様が涙しながらも笑って、皆様に配ってくださいました。
「皆でばらまいて入れちゃおっか！！」
毎回の投票結果を正の字に記し、確率を研究しながら、ひそかにビンゴ5を楽しんでいらした姿が脳裏に浮かんでまいります。
そして、故人様といえば忘れてはならない"お酒"。
「お昼から飲んじゃうくらい大好きなビールはちゃんと冷やしておいたのでネ、ご家族と、飲み仲間の皆さんで最後に…。」
共に交わしたお酒での席を思い返すかのように、お仲間方が、故人様へ語りかけながらビールを口元へ運ばれました。
その様子は悲しいというよりも、どこか楽し気に見えました。
楽しくお酒を交わし、たわいない話で笑っては盛り上がって、そんな「いつも通り」の光景。
故人様にとって、皆様にとって、この日が悲しい想い出ではなく、いつもの素敵な想い出となったなら幸いです。
祭壇も、ご遺影の背景の色も、コツコツとグッズを集められる程お好きでいらしたタイガースカラーにさせていただきました。
だからこそ、大好きな阪神タイガースをまとい、最後までそのイメージを皆様の目に、心に焼き付けていただきたく、阪神タイガースの旗をお作りさせていただきました。
こちらをお柩にかけ、ご出棺でございます。
「わぁ！すごい！！」
皆様も故人様と同じ気持ちかのように驚き、喜んでくださったあの時は、私も心に深く残る瞬間でした。
ソフトボールの練習から帰ると、必ず行った回転寿司アトムボーイ。
その後に決まって一緒に食べたサンテラスのソフトクリーム。
娘様が高校受験に合格した時にお願いした「大きなお家が欲しい」を数年後、本当に叶えてくれたりと…。
ご家族様から伺うお話からは、多くを語らない寡黙な背中を通して確かに注いでくれたご家族への深い愛情がありました。
愛情をたっぷり注がれた娘様方だからこそ、今も温かいご家庭を築いているのだと感じました。
「お酒が大好きで昼間から呑んでた父」
「ちょっぴり頑固で決して多くは語らない寡黙な父」
「病院嫌いな父」
最初に担当としてご挨拶させていただき、お話を伺った時から私の父と共通する点が多かった故人様でした。
ご家族様へ親近感を感じていた中で、最後まで本当にフランクに温かく接していただき、偶然ではない必然のご縁をいただいたように思います。
このご縁に心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。
父にはお酒を少し控えるよう、伝えますね。
それから病院にも行くようにと…。
家族葬の結家 岡崎矢作
担当 榊原 裕子
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