通夜日の朝、打合せのために故人様のご自宅へ伺いますと、枕元にはビールのお供えがありました。私は、ご家族様にお尋ねしました。
「ビールは麒麟がお好きなんですか?」
「本人曰く、これが安くてちょうどいいらしいよ。」
その他に故人様のお好きなものは思い浮かびますかと伺うと、「なんでも食べるからこれといったものはないかも…。でもまぁ葡萄かなぁ、柿かなぁ。フルーツはよく口にしてた気がする」と教えてくださいました。
式場へ到着後も、テレビをご覧になりながらの会話や、おやつを召し上がりながらの会話などを含め、ご家族の皆様の仲睦まじいお姿を見ながら、通夜・葬儀の二日間、お手伝いをさせていただきました。
迎えた告別式。お別れの時には、お供えくださっていたビールを故人様のお口元へ含めていただいたり、お好きだと伺った柿もお傍へとご用意させていただきました。
どうか彼の地でも変わらぬ笑顔のもと、皆様を見守っていてくださると信じて、そっと両手を合わせます。
ご家族の皆様におかれましては大変お世話になりました。
年末に近づき一段と忙しくなる時期かと存じますが、どうかご自愛くださいませ。
風邪など召されませぬよう、暖かくしてお過ごしくださいね。
家族葬の結家
担当 田村 美智