遺影に“ベストショット”を使うべきか?
――写真1枚の選び方が人生を語る
「この写真、使ってもいいのかしら……?」
ご葬儀の準備の中で、意外と多くの方が悩まれるのが、遺影写真の選定です。
ご家族のスマートフォンを覗き込んで、何十枚、何百枚もの写真をめくりながら、「これが最後にみんなに見られる顔になるんだよね」と、しみじみ呟くご遺族も少なくありません。
かつての遺影は、証明写真のようなかっちりしたスーツ姿や、フォトスタジオで撮ったお辞儀のような真面目な表情が主流でした。

ところが近年は、旅行中のスナップ写真や、笑顔のワンショットを使う方が増えています。
あるご家族は、おばあちゃんの遺影に「浴衣で縁側に座っている写真」を選ばれました。
「この笑顔が一番“らしい”から」と。
確かに、その一枚は、整った写真ではありませんでしたが、おばあちゃんの人柄や日常の優しさが滲み出ている、何とも素敵な表情でした。
私たちが思うに、遺影とは“誰かのための写真”でもあります。
・遠方から駆けつけた親戚に
・長く会っていなかった幼なじみに
・幼いお孫さんに「おばあちゃんって、こんな人だったんだよ」と伝えるために
そんな“誰か”の心に残る一枚を選ぶという視点が、とても大切です。

最近では、生前に「これを遺影にして」と伝えておく方も増えてきました。
中には、プロの写真家に頼んで遺影用ポートレートを撮る方も。
「遺影を見た人が、クスッと笑ってくれるように」
「最期まで明るくいたいから、笑顔にしてね」
そんな前向きな声を聞くたびに、写真って生き方そのものなんだなと感じます。
遺影は、亡き方を偲ぶための「象徴」であると同時に、“その人らしさ”を未来に届ける小さな贈り物なのかもしれません。
だからこそ、「一番よく撮れてる写真」ではなく、「この人らしいなあ」と心から思える一枚を。
スタッフとしても、そんな写真選びを、全力でお手伝いしたいと願っています。
家族葬の結家
磯貝 文寛
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