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葬儀の現場では、忌事、いわゆるタブーとなる行為や言葉が多数あります。
有名なものだと友引(友を引くという言葉から葬儀を避ける日とされていて、それに伴って火葬場も休業であることが多いので葬儀を行うこと自体が難しいです)や三月跨ぎ(葬儀~四十九日法要が3か月に渡ると、「始終苦」が「身付く」と言われ避けられることがあります)といったものがありますが、これらはいずれも言葉の綾というか語呂合わせで生まれたものばかりです。
いずれの行為も仏教等の宗教による考えではなく、民間で考えられたものです。
友引で葬儀を行えるよう、火葬場へ訴えかけるお寺もいました。
しかしながら、こうした「タブー」は現在でも多くの方に意識されており、実際の葬儀の現場では無視できない要素となっています。
宗教的な根拠がないと分かっていても、「何となく気になる」「昔からそう言われているから避けたい」というご遺族のお気持ちは非常に自然なものです。
そのため、私たち葬儀に携わる者は「正しい・間違っている」で一刀両断するのではなく、その背景にある心情を丁寧に汲み取ることが大切だと感じています。

例えば、
「友引だけどどうしてもその日しか日程が合わない」
「三月跨ぎになってしまうけど問題はないのか」
といったご相談を受けることも少なくありません。
こうした場合には、
・宗教的には問題がないこと
・地域やご親族の考え方によって捉え方が異なること
・最終的にはご家族の納得が最も大切であること
をしっかりお伝えした上で、ご遺族に判断していただくようにしています。
また、タブーとされるものは時代とともに少しずつ変化しています。
昔ほど厳密に気にされないご家庭も増えてきており、「形式よりも気持ちを大切にしたい」という考え方が主流になりつつあります。
一方で、地域によっては今でも強く意識されている風習もあり、同じ愛知県内でも考え方が異なることも珍しくありません。
そのため、「一般的には大丈夫です」とお伝えするだけでなく、「この地域ではどうか」「ご親族の中に気にされる方はいないか」といった点も確認しながら進めることが重要です。

葬儀とは、故人様を送り出すと同時に、ご家族やご親族が心の整理をする大切な時間です。
だからこそ、根拠の有無だけでなく、「安心して見送れるかどうか」という視点が何よりも大切なのだと思います。
形式に縛られすぎず、しかし無視もしない。
そのバランスを取りながら、一つひとつのご葬儀に向き合っていくことが、私たちの役割だと感じています。
家族葬の結家
橋本 大輔
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