「これも、あっ! あれも入れてあげんとね!」
大切な方が、彼の地でも困らないように。いつも使っていたものや、好んで召し上がっていたものをお棺の中にお入れしたいお気持ちは、よくわかります。たぶん、私も大切な人が亡くなったらそうしたいと思うから…。
このような、お棺の中に入れてさしあげるものを「副葬品」といいます。
副葬品として、「燃えないものはダメよね」と多くの方はご承知されています。でも、「紙は燃えるからいいでしょ?」というご認識の方がほとんどです。
通常、どの市の火葬場からも「お棺の中にこのようなものを入れないでくださいね」と、ご遺族に配られる通知書があります。この通知書を見ると、紙に関しても制限付きで記されていることがほとんどです。
副葬品が限られる訳としては、火葬時間が長くなってしまったり、火葬炉に不都合が出てしまうからという理由があります。
しかし、お骨を綺麗に残したいと思われるなら、正直なところ、あまり副葬品を入れるのは少しお考えになった方がよいかなと思います。
私は数年前、火葬場で勤務していた時期があります。ご焼骨の状態を見てきたので本当のことです。
火葬炉の中の温度は900度~1200度になりますが、紙はそのまま燃え残り、細かく灰になることはありません。
特に、ページ数の多い雑誌などは大きく広がってしまいます。お骨を拾われるときに、その紙をよけながら拾わなくてはいけなくなります。量が多ければ多いほどそれは大変になってきます。
例えば、ご朱印帳は、なるべく広げた状態で入れてさしあげてください。
闘病中に皆様から頂いた千羽鶴は、なるべくバラバラにほどいてお入れするのがよいでしょう。千羽鶴を束のまま入れてしまい、鶴の形のまま残っているのを何回も見たことがあります。
大切な方に、どうしても「これは持たせてあげたい」というものは、お棺に入れてさしあげたらよいと思います。
家族葬の結家
担当 藤原 恵美
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