何事にも誠実に取り組み、人のために尽くす父でした。
「周りにはもちろん、家族にも迷惑をかけたくない」と言って、体調を崩してからは特に、私たちに対して申し訳なさそうにしていました。
「迷惑だなんて。私たちの方が今までどれだけお父さんに迷惑をかけたか…。」
そう伝えると、「いや、迷惑じゃなくて喜びをもらったんだ」と言ってくれました。
周りを常に思いやる優しい父。
その深い愛情に感謝と誇らしい想いで送ってあげたいと強く思う中、とても柔らかく対応してくださる担当者さんに、私達はすぐに打ち解けることができました。
実は父が生前寝たきりになってから、不仲であった自身の弟のことをよく話していました。
「俺の葬儀にアイツを呼んだら呪ってやるでな！」
長女である私しか知らないことでした。
父が亡くなって、はじめて妹家族にその旨を打ち明けましたが、妹の呼ぶべきとの意見に双方とも涙ながらの話し合いが続きました。
そんな時、担当者さんが「これで最後。本当に呼ばなくて後悔しないですか？」そう聞いてくださいました。
結果、葬儀のことを弟さんへ伝え、その後は弟さんへ任せるという答えが出て、家族の意見が一つになりました。
式には弟さんが駆けつけてくれ、父の顔を見て「呼んでもらえて、会えて良かった」そう最後に声をかけてくれました。
その時、父の遺言とは反してしまったけれど、最後の最後に不仲だった兄弟が分かり合えた…。そんな気持ちになり、弟さんを呼んで良かったと思うと同時に、呼ぶきっかけをくれた担当者さんにも「あなたが担当で良かった」とお伝えしました。
無事に全てを終えることができ、親族で集合写真を撮りました。
今回、父を送るにあたり、担当者さんのおかげで後悔のない形で気持ちよく父を送ることができました。本当に感謝しかありません。
父と、弟さんが繋がるきっかけをくださった担当者さんもぜひ一緒に写真に入ってほしいと思い、ご一緒していただきました。
担当者 福井より
誰のためのお葬式か。故人様を送るお別れの時であり、主役は故人様です。しかし、お葬式は大切な人を失っても生きていかれるご家族様のものでもあります。
これからも生きていかれるご家族様の “これから” に沿ったお手伝いができるように、今後も丁寧に心を紡いでいきたいと思います。
いただいたご縁に感謝いたします。本当にありがとうございました。
